宙玉(そらたま)とは透明球を透明な板に接着して撮影し、玉が宙に浮かんでいるような写真を撮るための方法です。製品を使う方法と自分で工作する方法がありますが、ここでは自作の方法を紹介します。
製品版の「soratama 72」では光学ボールレンズを使用しているためクリアな描写の写真が撮影できますが、アクリル球を使った工作でも楽しむことはできます。あまりお金をかけたくないという方はぜひ自作にトライしてみてください!
工作に必要なもの
・チップスターの空き箱(レンズフードなど、他の筒でも可)
・アクリル製の透明球と透明板(アクリル板の穴あけ等ができない場合は「工作用宙玉」を使用)
・ステップアップリング
・マクロ撮影が可能なカメラやレンズ(ない場合はクローズアップレンズや接写リングを併用)
工作の手順
1)菓子箱のフタの部分を抜いて、枠だけにします。
2)接写ができるようにする。→「接写をする方法」(宙玉サイト)
3)筒をどの程度の長さにカットすればいいのかの調整をします。焦点距離が短い場合は筒を短く、焦点距離が長い場合は筒を長くします。→「どんなレンズが向いているのか?」(宙玉サイト)
ピントをマニュアルにして一番近いところに合わせ、どのくらいの筒の長さでピントが合うのか確認します。詳しくは→「エクステンションチューブの調整」(宙玉サイト)をご覧ください。
4)菓子箱をカットする。カットする線を引く方法は、紙を一周チップスターの周りに巻いて印を付ける。カッターを使ってあまり力を入れずにカットする。短く切ってしまうとやり直せないので、少し長めに切ってから調整する。失敗も考えるとチップスターは長い物がいいです。菓子箱の底側を使うと67mmのステップアップリングがかっちりはまります。
5)菓子箱のフタ、宙玉、菓子箱の筒、ステップアップリングの順番で取り付けます。とりあえずテープによる仮止めで、テスト撮影し、ピントが合うか? ケラレていないかの確認をします。
6)オーケーであれば、フタを固定します。菓子箱の底側を使った場合、フタははずれやすくなります。筒に紙や薄いスポンジなどを巻いて、すぐにはずれてしまわないように固定してください。
写真は左より、フタにはめた宙玉、菓子箱の筒、ステップアップリング。
左より、フタにはめた宙玉、菓子箱の筒、ステップアップリング。
組み合わせたところ。フタと筒、筒とステップアップリングをそれぞれテープで固定して外れないようにする。
カメラに取り付けたところ。宙玉部分をステップアップリングでカメラのレンズに取り付ける。レンズとボディの間に接写リングを入れて接写ができるようにする。マクロレンズを使う場合は接写リングは不要。
接写について
玉にピントを合わせるためには接写ができることが必要です。そのためにマクロレンズやクローズアップレンズ、接写リングなどを利用します。以前はクローズアップレンズの使用をおすすめしていましたが、レンズによってはケラレが発生する場合があるので、現在では接写リングをおすすめしています。もちろんピントがあえばクローズアップレンズでもかまいませんし、マクロレンズをお持ちの場合はそちらでお試しください。詳しくは宙玉サイトの以下のコンテンツをご参考に
→「接写をする方法」(宙玉サイト)
→「接写リングとは?」(宙玉サイト)
→「マクロレンズを利用する」(宙玉サイト)
ステップアップリング
レンズと筒の接続に使います。レンズ側はレンズ径に合わせ、筒側は67mm径にするとピッタリ合います。たとえば、レンズ側が52mm径であれば、52→67mmのステップアップリングを利用します。
→「ステップアップとステップダウンリング」(宙玉サイト)
宙玉部分も自作する
アクリル板などを使って宙玉を自作することも可能です。アクリル板への穴あけはドリルドライバーを使うと便利です。ただし、割れてしまう場合もあるので、アクリル専用のドリル刃を使うといいでしょう。まずドリルを使って穴を空け、リーマーを使ってその穴を大きく広げます。
工作が難しい場合は「工作用宙玉」をご利用ください。
注意:玉の接着に瞬間接着剤を使うと白くなってしまう場合があります。アクリルの接着に適した接着剤をお使いください。